HOLGAなロンボク(2)

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水平線から、真っ赤な太陽が昇る。
聞こえるのは、波の音だけ。
動いているのは、沖合を漂うボートだけ。
どこまでも静かで美しい夜明け。
上の写真は、トイカメラのHOLGAにfortiaSPという超高彩度リバーサルフィルムを入れて撮ったもの。チープなカメラと高価なフィルム。このミスマッチが楽しかった。
fortiaSPはISO50。HOLGAはシャッター速度1/100、絞りF8固定。この組み合わせだと露出は日中の晴天下でほぼ適正となるが、朝夕は極端な露出不足になる。太陽の光だけが浮き出るようなドラマチックな描写が得られるだろう。理論的にはそう予想できたのだけど、その理論の重力圏外はるか彼方を漂っているのがHOLGAがHOLGAである所以なわけで、いつものごとくまったく結果を考えずに撮ったのだが、このときは妙にひねくれることもなく鮮やかに撮れてしまった。たまに素直になるところが愛らしくもあり、小憎たらしくもあるカメラだ。

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