2/15から日本橋三越で開催中の「ロバート・キャパ写真展 キャパ・イン・カラー」に足を運んできた。最近発見された第二次世界大戦のカラースライド写真のほか、作家ヘミングウェイの家族の写真や、1954年の来日時に撮影した京都や大阪の写真などを展示したものだ。
僕は写真を撮るのは好きだけれど、およそカメラやフィルムの成り立ちやら歴史やらについてはまったく無知なうえ、興味もさほどない。カラースライド写真が第二次世界大戦前から存在していたことすら恥ずかしながら今回初めて知った。世界最初のカラーフィルムが発売されたのは1935年のことだそうだ。コダックの「コダクローム」がそれである。今回展示されているのは、キャパがそのコダクロームで撮ったスライド写真。最近になってマグナムのニューヨークオフィスからマウント形式で大量に発見されたものをスキャンし、プリントしたものだという。そのあたりの経緯についてはここの記事が詳しい。
会場に到着したのは午後1時過ぎ。平日なのに会場内には大勢の人。前評判の高さをうかがわせた。
ずらりと並んだ第二次大戦の写真を見てまず感じたのは、「これが本当に60年前に撮られた写真なの?」という素直な驚き。頭の中に漠然とある、古ぼけたモノトーンの場面が、突如、色鮮やかなカラーの世界として目の前にリアルに展開される。とりわけ、空の青が印象的だ。いっときのくつろぎを楽しむ水兵や出撃を待つ操縦士の背後に広がっている空は、悲しすぎるほど青い。その青が鮮やかであるがゆえに、彼らが辿るであろう運命のはかなさが、モノクロ写真を見るより生々しく胸に迫り、やるせない気持ちになる。
もっとも印象に残ったのは、1943年にチュニジアで撮られた仏軍ラクダ部隊の写真と、チュニジアからシチリアに向かう米軍輸送部隊の写真だ。なぜなら、僕自身が、昨年チュニジアからシチリアへと実際に旅したからだ。けれでも、旅の空の下でもっぱら思いを馳せていたのは、はるか遠い昔の、古代ローマとカルタゴの戦いのことであって、第二次大戦の出来事についてはまったく頭の中になかった。白い砂漠を進軍するラクダ部隊の写真を眺めたとき、チュニジアがたどってきた複雑な歴史のほんの一部しか見てこなかったことに思い至り、歴史認識の浅さを痛感した。
戦争写真のほかにも、ヘミングウェイがビール(?)をラッパ飲みしている写真や、京都の桂川で遊ぶ子供達の写真、地雷を踏んで亡くなる数分前に撮影した写真など、貴重なカラー写真が数多く公開されている。また、カラー以外にも、「倒れる兵士」などの傑作モノクロ写真も展示されている。時間があればぜひ足を運んでみてください。
2005年3月6日
ロバート・キャパの写真展
日本で報道写真家ロバートキャパの写真展が開催されていたとか。
たまたま検索して引っかかったニュースで読んだのですが2月20日まで東京・日本橋三越で行われていた…
2005年2月22日
期間が短かったですね。
関西方面でもやるといいのだけど。
2005年2月21日
終わってましたね(--;
2005年2月21日
すっごく気になるー!!!
見に行きたいなぁ~
2005年2月20日
ロバートキャパのこと—倒れたものと変わったもの
Deep Breathさんの記事がきっかけで、久しぶりにロバートキャパのことを