チェファルー→アグリジェント

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Cefalu, Sicilia

グランツールのひとつ、ジロ・デ・イタリアが昨日から始まった。

3週間にわたって、南北に長いイタリアの地を街から街へ、山越え、谷越え自転車で走り抜け、総合優勝や各賞を争う、世界三大サイクルロードレースのひとつである。選手にとっては過酷このうえないサバイバルレースだけど、だからこそ観るものにスリルと感動を与えてくれる。レース展開のみならず、画面に映し出されるイタリアのなにげないけど美しい風景も大きな見所だ。プロトン(大集団)が通過する土地の名所、文化、食事、ワインなども折に触れて紹介されるから、観ているだけでいっぱしのイタリア通にもなれてしまう。自転車好きのみならず旅好きにもファンが多いというのもうなずける。

毎年ミラノが最終ゴールというのは変わらないけれど、スタート地点は年によって変わり、それが目玉ともなる。昨年のスタート地点はサルディーニャ島。そして今年はシチリアのパレルモがスタート。初日を迎えた昨日は、パレルモ市内をぐるりと走るタイムトライアルだった。シチリアは数年前に旅し、パレルモにも何泊かしたから、例年以上の興味と期待をもって観戦した。知っている場所はそれほど出てこなかったけど、あのごちゃごちゃした街並みは懐かしかった。

そして2日目の今日のコースは、チェファルーからアグリジェント。距離にして約200キロ。これをおそらく5、6時間で走ってしまうんだからすごい。ぼくは電車ではあるがパレルモからチェファルーを訪れ、その後アグリジェントを訪れた。だいたいの地形や距離感はわかるだけに、よけいにそう感じてしまう。しかもレースは明日以降もずっと続き、道も厳しくなっていくのだ。その明日は、カターニャからタオルミーナを通過するコース。数年前、ぼくがシチリアを旅したときのルートをなぞるようにレースが進んでいくではないか。例年になく観戦が楽しくなりそう。そして、観戦後は多摩サイを思いっきり走りたくなるのだろう。

ちなみに、チェファルーは映画『ニューシネマパラダイス』のロケ地として有名な海辺の街、アグリジェントはローマ時代の遺跡が点在する世界遺産の街。

詳しくはメインサイトの旅行記を見てね。

彼の地への旅 – チュニジア、シチリア、トスカーナ編
http://www.kanochi.net/travel/tunisia_italy/index.html

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Agrigento, Sicilia

アッシジの思い出

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「イタリアへ:須賀敦子 静かなる魂の旅」の第二弾として11月18日にBS朝日で放映された「アッシジのほとりに」を観た。第一弾を踏襲し、細切れなカットや場面転換を意識的に排して、町の表情や光や色を追いかけることに徹した映像は、心に深く語りかけてくるような静けさと美しさを帯びていて、安心して身を預けることができた。こういう旅番組はいいね。BSだからできるのかもしれない。

須賀敦子という作家・翻訳家を知ったのは、タブッキの『インド夜想曲』を読んでからだった。以来、『トリエステの坂道』など何冊か著書を読み、知性と品性から生み出される透徹した、それでいて情感豊かな文章に魅了されていった。とはいえまだ読破数は足らず、著者自身の人生についてはさほど知識がなかったので、著者にとってアッシジが特別な場所だったことを、この番組で初めて知ることとなった。

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