ゴア滞在中、カラングートにおいしいチベット料理店があると聞いて足が向いてしまったのは、すでにそのとき心の中に、ネパール再訪、さらには念願のラダックへという彼の地への旅の想いを秘めていたからかもしれない。いや、その想いは確実にあった。
カラングートのビーチでサンセットを見届けると、ガイドブックを頼りにそのレストランへと向かった。ビーチから延びる道の途中に、狭い脇道を見つけた。よく注意していなければ見過ごしてしまうほど目立たない路地だ。奥へと進んでいくと、レストラン「Tibetan Kitchen」はあった。まだ客はまばらだ。
しばらくして、テーブルにおいしそうなモモとスープが湯気とともに置かれた。モモにもバリエーションがあって、一般にチベットのモモは餃子型、ネパールのモモは団子形である。このモモは団子形だからチベットというよりネパール風か。「中は熱いから気をつけて」。去り際にウェイターが注意してくれた。一口かじる。たしかに熱い! アツアツの肉汁が口いっぱいに広がり、ホクホクする。小籠包のようだ。シアワセ。
デザートはストロベリーアイス。チベット料理店でこんなオサレなデザート出していいのかという疑問もちょっぴり湧いてくる、というか、そもそもなぜそんなデザートを頼むのかと自分につっこみたくなったが、甘い物には目がないので仕方がない。そこにそれがあれば頼みたくなるのが自然の摂理というもの。かたいことはいいっこなしで。なんといってもここはゴア。世界中から旅行者が集まってくるビーチ。メニューも味も自然と洗練さに磨きがかかるんだろうね。なにはともあれ、甘い物を味わえてシアワセ。