尾道とポルトガルとマカオと

一昨日の日曜日は、『ヴィム&ドナータ ヴェンダース写真展 尾道への道』を見るために表参道ヒルズへ出かけた。

旅好きとして知られる映画監督ヴィム・ヴェンダースは、土地の持つ空気や色、音に対して非常にセンシティブであり、その鋭敏な感覚から、『パリ、テキサス』、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、最新作の『アメリカ、家族のいる風景』など、世界の土地と人をテーマにした映画を世に送り出してきた。

また、彼は小津安二郎の熱心なファンとしても知られており、『東京物語』のロケ地である尾道は、彼にとっての憧憬の彼の地であったという。この写真展では、ヴェンダース夫妻が昨年その尾道を初めて訪れたときに撮った写真を見ることができる。

ヴィム・ヴェンダースの写真はすべてカラー。『東京物語』の風景がほとんど残っていないのが彼には残念だったようだけど、「いま」の尾道をとらえた写真からは、彼の映画と同様、色や空気に対する独特の感覚を見てとることができて興味深かった。

一方、妻のドナータ・ヴェンダースの写真はすべてモノクロ。人の姿があくまでもぼんやりととらえられている。このぼけ具合はライカっぽいなあと感じたのだが、聞くところによると、やはりライカで撮ったものらしい。最近M6と現行型ズミクロンを売って、代わりに自分の生まれ年のM3とDRズミクロンを手に入れたぼくとしては、こんなモノクロ撮りたいなあと、彼女の写真にもインスパイアされたのであった。

ところで、ヴェンダースの作品の中には、ポルトガルを舞台にしたものがある。『リスボン物語』(LISBON STORY)がそれだ。このタイトルは、『東京物語』を意識したものだろう。ヴェンダースにとってリスボンが特別な場所のひとつであることは確かだ。この前初めてポルトガルを訪れたぼくにとっても、リスボンはとりわけ印象的な場所となった。そんなつながりもあって、写真展のあとは、ポルトガル料理を食べることに。ちょっと理屈が強引? いやー、ほんと食べたかったのですよ、ポルトガル料理が。

同行の二人と向かったのは、渋谷の「マヌエル」というお店。
以下、食べたものの一部。

タコのサラダ。これはポルトガルでもはまった。

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名物バカリャウ(鱈)のコロッケ。これはなぜかポルトガルで食べ損なったので、食べたかった一品。

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名物サルディーニャス アサーダス(イワシの炭火焼き)

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あさりと豚肉のアレンテージョ風

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タコのリゾット。

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ワインはヴェルデ、白、赤と3本をあけた。
一番乗りでお店に入ったのに、話が弾み、結局出るときは一番最後。
楽しいひとときを過ごした。この店、またぜひ行ってみたい。

ちなみに、この「マヌエル」は、マカオのタイパ島、官也街に本店があるという。
官也街といえば、一昨年、昨年と二度訪れたほど気に入った場所。
また、ご一緒したひとりが数日後に香港とマカオを訪れることになっていて、「官也街いいよー」という話をしていたところだったので、これまた偶然。

尾道→ポルトガル→マカオと、贅沢な旅を楽しんだ一日であった。

9件のコメント

  1. あづま川
    2006年5月8日

    お帰りなさい。
    sesamiさんの記事、あとで読ませていただきます。

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  2. 三谷眞紀
    2006年5月8日

    う、香港旅行中になんだかいいように書かれてるしー。
    あづま川さん、sesamiさんの写真展評はズバラジイでず。
    ブログを読みに行きましょう。

    返信
  3. デルログ
    2006年5月7日

    記憶の中の尾道

    母方の実家が向島にあったので、小さい頃は春休み・夏休みは尾道で過ごしていた。 尾

    返信
  4. あづま川
    2006年5月5日

    >sesamiさん
    写真、ボケボケでしたか~。笑わせてスミマセン。
    しかし、あれが普通の会話に思えたとは、sesamiさんもなかなかエロ・・・(笑)
    いや、冗談です。あれは普通の大人の会話でしたよね。まったく、眞紀さんってば。
    親しくない眞紀さんとああいう話ができるのは、ご本人がとてもさばけた性格だからでしょう。
    ヒトヅマだから何言ってもいいや、みたいな気安さもありますし(笑)
    相手が独身女性だとああは話せないですね。おわかりになったかと思いますが、ほんとシャイなので。

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  5. sesami
    2006年5月4日

    やっぱり食べ物写真はあづま川さんにおまかせして正解。
    私が携帯で撮ったのは、押す瞬間に笑ったため
    ぼけぼけで使い物にならず(苦笑)。
    エロトーク? あれっ、私にはわりと普通の会話に思えたけれど基準が違う???
    でもあづま川さんと眞紀さんがお互いを「そんなに親しくない」というわりには、遠慮のない同期かダチのような会話が繰り広げられていて、はたで聞いていておもしろかったです。

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  6. あづま川
    2006年5月3日

    >じった師匠
    いえいえ、エロトークでは師匠の足元にも及びません(笑)
    あの頃のナスターシャ・キンスキーはものすごくきれいでしたよね。
    最近見ていないのですが、きっとまだ美しいんでしょうね。
    ポルトガル料理は素朴だけど美味しいですよ。ワインもいけるし。
    ぜひ一度、エロトークについていける女性と一緒に。。。

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  7. 花岡じった
    2006年5月3日

    やっぱりな。
    あづっちは結構エロトーク好きですしね♪
    飲み会で俺が話していると横から発言しますもんね。
    あはは。
    次回の飲み会では「爆裂!エロエロトーク合戦」でもしましょう!
    をっと、本題でしたな。
    「パリ、テキサス」は昔見た記憶がある。
    確か、ナスターシャ・キンスキーが出ていたよなぁ。
    あの人今でも綺麗だよねぇ。
    ポルトガル料理美味そうですなぁ。
    特にあさりと豚肉のアレンテージョ風が。
    3人でワイン3本とはそりゃぁエライ勢いでしたね。
    さすがに酔ってエロトーク爆発ですね。(笑)

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  8. あづま川
    2006年5月2日

    なんやかんやけっこう飲みましたね。
    眞紀さんの写真もうまく撮れてたらアップしようと
    思ったのですが。
    どうも美女を撮るのは苦手です。
    セクハラ発言・・・はて、なんのことでしょう。
    エレガントでファッショナブルな大人の会話を
    楽しんだと記憶しているのですが・・・。

    返信
  9. 三谷眞紀
    2006年5月2日

    どうも、よく考えてみるとけっこう飲みましたね。
    ワタシもきのうのブログ記事に、ヴェンダース夫妻写真展のことを書きました。
    うまくまとまりませんでしたが読んで下さい。
    ……とかって書いていると、とてもとてもあの席でおげれつな会話を交わしていたとは思えませんわね。うふ。
    あづま川さんのトンデモナイセクハラ発言の数々、個人的にはとても好きですが。

    返信

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