オークパンサーのこと

ラオスで撮ったポジが上がってきた。
合計13本(E100VS)。感想は……なかなかいいじゃん。
夕陽、托鉢、笑顔、料理、そして灯籠流しのお祭り。
ラオスの日常とハレの光景をバランス良くフィルムに焼きつけることができたと思う。

ところで、そのハレの日の灯籠流し、現地レポの中では名称不明と書いたけれど、どうやらオークパンサーを祝うお祭りのようだ。オークパンサーとは、仏教の雨安居が明ける日(出安居)のことで、旧暦11月の満月の日と定められているという。今年は10月7日がその日に当たるとのこと。お祭りは、翌8日の夜に盛大に催された。

下の写真は、当日、お祭り直前にとある寺院で撮ったもの。

Ttb_061018a
PENTAX MZ-3 + FA35mm

このお祭りがオークパンサーだとわかったきっかけは、前の記事にコメントを寄せていただいたsoraさんが、角田光代の『いつも旅のなか』という本を話題に取り上げてくれたこと。このタイトルを耳にして、あ、そういえば、と彼女の別の旅エッセイ『恋するように旅をして』をめくってみたところ、あったあった、著者が10月、このオークパンサーを見にラオスに行く話を見つけた、というわけ。オークパンサーの日は毎年違うのだが(著者は10月末に訪れた)、ネットで検索してみたところ、やはり今年は満月の10月7日ということだったので、オークパンサーで間違いないだろう。

角田光代はあらかじめこのお祭りの存在を知り、それを目当てにラオスを訪れたわけだけど、ぼくはといえば、そんなお祭りの存在も名前もぜんぜん知らずに彼の地を訪れた。いきなりラオス最大のお祭りのひとつに遭遇したわけだから、心底驚き、おおいに興奮した。とてもラッキーだったと思う。印象がひときわ深くて美しいものとなったのだから。


恋するように旅をして
角田 光代 

8件のコメント

  1. あづま川
    2006年10月21日

    >眞紀さん
    ええ、これはわざと手前の赤をぼかしたのです。
    ぼくがよく使うテクです。A式の基本です(笑
    >soraさん
    soraさんのコメントで角田さんが書いたオークパンサーの話を
    思い出すことができました。感謝します。
    大乗仏教と南方仏教ではお祭りの華やかさはかなり違いますね。
    日本人の目には派手に映るんですが、仏教圏全体で見れば、
    日本の行事だけがちょっと地味すぎるのかなとも思います。

    返信
  2. sora
    2006年10月20日

    思いつきで角田光代さんのことに触れたのですが、あずま川さんの記憶の襞にうまく刺激をあたえたようですね。リンクまでして頂きありがとうございます。
    日本は「しんみり」したお祭りも多くありますが、アジアは爆竹鳴らしたり、過激?な祭りが多いのですかね?
    アジアのこのあたりの色彩は24色フルカラーというイメージがあります。チベットやネパールあたりのお祭りもフルカラー。

    返信
  3. 三谷眞紀
    2006年10月20日

    ピントがおもしろいところに来ていて、とてもいいですね。
    実際の「目」ではこんなふうなピントの合い方で見えないのに……写真はおもしろいなあ。

    返信
  4. あづま川
    2006年10月20日

    >ERICAさん
    この日はお祭りだったので、寺院にはカラフルな飾りものや灯籠船が
    いっぱいで華やかでしたよ。
    日本の精霊流しは、亡くなった人の霊を船で浄土に送る仏教行事ですよね。
    東南アジアの灯籠流しは、水の精に感謝を捧げるお祭りですが、
    ぼくがここで見た灯籠流しは、それに加えて、青森のねぶた祭りのような
    迫力もありました。そのうち写真をアップします~。

    返信
  5. ERICA
    2006年10月20日

    写真綺麗ですね~
    青空に花も幟(カラフルな布)も映えてます。
    いつ見ても「あづま川さんの色」は素敵。
    灯籠流しのお祭りは、長崎の鐘楼流しに似ている気がしますが・・・?
    行為は似てますが、主旨は違いますね。

    返信
  6. あづま川
    2006年10月19日

    >ogawaさん
    東南アジアのお祭りといえばソンクラーンとロイカトーンくらいしか
    知らなかったのですが、ラオスのオークパンサーはとても盛大でした。
    灯籠流しも行われたのでロイカトーンとばかり思っていたんですけどね。
    有名なスコータイのロイカトーンは11月ですよね。
    タイとラオスでは違うんでしょうか。調べてみないと・・・。
    >ヒョウちゃん
    この祭りの日は昼間は晴れてくれましたが、雨期特有の雲も広がっていたので、
    乾期のピーカンとは少し表情が違うと思います。
    そうなんです。ぼくも歩き方のラオス編で行事はチェックしていて、
    10/18に何かあるなとは知っていたのですが、
    オレの日程とは関係ねーやと思って内容までは読んでなかったのです。
    それが2005年の予定であることは帰国後に知りました(汗
    でもそのおかげで予備知識なしにお祭りを楽しめたのでよかったかな、と。

    返信
  7. ヒョウちゃん
    2006年10月19日

    写真を1枚拝見しただけですが、そこに漂う空気感みたいなものが、
    乾季の雰囲気とは違って見えます。花がみずみずしいような。
    さて、ルアンパバーンに到着後のレポでお祭りのことに触れていましたね。ガイドブックに載っているお祭りカレンダーを見てみましたが、手持ちのものは、2005年のものでした。
    オークパンサー、10月18日となっていたのですが、農歴だと1年でかなりずれてしまうのですね。
    今回は偶然にしてはいいことずくめでは。羨ましいです。
    次の写真を早く拝見したいですね。

    返信
  8. ogawa
    2006年10月18日

    オークパンサーの祭りの事は知っていましたが、
    これほど派手なお祭りとは思いませんでした。
    E100VSですか、ビビッドなラオスの写真が拝見できそうですね。
    どんなルアンパバーンの写真を撮られたのか楽しみです。

    返信

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