南インド通信(2)

ゴアのアンジュナビーチに滞在しています。
甘くてゆるい空気。強烈な日中の陽光、そしてオレンジ色の夕陽が、このビーチを発つ気力を徐々に奪っていきます。そして昨日、エアインディアのオフィスに出向き、帰国日を変更(先延ばし)してしまいました。変更不可のチケットなら潔くあきらめたものを・・・格安チケットのくせに妙に融通が利くものだからつい。罪なエアインディア。さて、仕事はどうしましょう。
一昨日と昨日は、ポルトガルの面影が色濃く残るパナジとオールドゴアを散策してきました。「南インド通信1」で、ゴアに来た目的は「ビーチでとろける」以外にもあると書きましたが、そのひとつがこれです。マカオ、マラッカに続く、「アジアの中のポルトガルを追いかける」シリーズ第三弾というわけです(今思いついてシリーズ化)。
パナジの古い地区に一歩足を踏み入れれば、青、赤、緑のカラフルな家並みや白壁のまばゆい教会に出会ったり、路地の一角にあるポルトガル&ゴア料理のお店に入れば、ファドが流れていたり、フランシスコ・ザビエルが眠る教会を訪れれば、ミサが始まり、大勢の礼拝者がいっせいに起立して賛美歌を合唱しだしたり。とてもインドとは思えない。でも、たしかにここもインド。インド=ヒンズーという自分の中の思い込みが崩れていくのを感じました。心地よい崩壊感を味わってビーチに戻れば、アラビア海に沈む、昨日とまったく変わらない美しい夕陽が待っています。身も心も完全に崩壊です。
ゴアに来た目的がもうひとつあります。これもポルトガルと関連するのですが、タブッキの小説『インド夜想曲』の舞台を訪ねることです。ポルトガル旅行のときにはリスボンを舞台とする同じタブッキの『レクイエム』を携えていき、旅に刺激を与えてくれました。『インド夜想曲』もムンバイ(ボンベイ)とゴアが舞台となっているので、これを片手に彼の地を歩くのも楽しそうだと思ったのです。そしてムンバイとゴアでは実際にいくつかの舞台を訪れました。これについては帰国後に記事を書きます。
明日はホーリーです。地元の人に聞いたところ、やはりそこらじゅうで色粉を投げあうそうです。そして今日ビーチに行くと早くも前哨戦が! 危うく赤い粉を顔にぶつけられるところでした。明日は決死の覚悟で撮影に臨みたいと思います(笑

6件のコメント

  1. あづま川
    2009年3月14日

    >vinvivaさん
    写真がないとなにがなんだかイメージできないかもしれませんね。
    それは帰国してからということで、とりあえず今は文章だけから
    想像してみてください。

    返信
  2. vinviva
    2009年3月14日

    >こんばんは。
    良くわからないままでも、私の脳に記憶されている断片的なパーツを組み合わせて、あずま川さんの文章を具象化しています。
    いや、私も行きたいな~、、、叶わぬ夢、、、
    せめて、、、
    写真も楽しみにしています!

    返信
  3. あづま川
    2009年3月13日

    >ヒョウちゃん
    ホーリーは楽しかったです。
    顔とTシャツがサイケに染まってしまいましたが(笑)、
    カメラはなんとか無事でした。
    今はハンピにいますが、次の目的地コーチンで
    またポルトガルの空気に浸ろうと思っています。

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  4. あづま川
    2009年3月13日

    >higさん
    グラナダですか。アンダルシアはもう春の陽気なのでしょうね。
    こちらは暑期目前なのでものすごく暑いです。本当にとろけます。
    旅を楽しんできてください。

    返信
  5. ヒョウちゃん
    2009年3月11日

    羨ましいです。
    今日ホーリーだったんですね。
    ホーリーの写真を早く見たいですよ。
    インドの中のポルトガルもクラッと来そうです。

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  6. hig
    2009年3月10日

    旅のニュアンスが伝わってきますね。
    昨年の丁度今頃はスペイン国境沿いのポルトガルを旅行していましたが、週末からグラナダに行ってみることにしました。僕は仕事の間隙をついてですので帰国は帰られないですが(笑)

    返信

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