チャイとかプリントとか

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北インドの旅では、朝な夕なにガンガーを眺めながらチャイをすすった。

季節はちょうど10年前の今頃。思いのほか冷え込むガートで、胃から全身へと広がった
一杯のチャイの温かさと香りを、今でもかすかに覚えている。

10年後、南インドの旅では、アラビア海を見渡しながらチャイをすする。
あの水平線の遙か向こうは、アラビア半島。そこには、2年前に訪れたイエメンがある。

この地とあの地は、「海のシルクロード」で結ばれている。古代からの見えない道を
通じて、2年前の旅と現在の旅がつながる。

海のシルクロードは、香料の道、とも呼ばれている。
チャイの味と香りを引き立てているマサラの多くは、その昔から、この見えない道を通じて
運ばれていったはず。

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単なるミルクティーではない。マサラとリーフをたっぷりのミルクで煮出した、濃厚で、甘ったるく、
それでいてピリリと体内に染み渡るのが、インドのチャイ。その濃厚な味と香りをいくらかでも
持ち帰ろうと、旅の途中、チャイ用のマサラを購入した。手前のはヴァルカラで、左のはゴアで
それぞれ購入したもの。色の違いは、含まれているスパイスの種類の違いだろう。

このマサラと、アッサム、砂糖、たっぷりのミルク、それにすりおろしたショウガを加えて、
できあがり(作り方は過去記事を参照)。

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現在、南インドの写真を整理中。メインはこれまでの旅と同様、リバーサルとモノクロフィルム
の写真である。その中から、これはと思うコマをまずは2Lサイズでプリントし、調子の確認後、
トリミング等の指示をして六つ切りまたはワイド六つ切りでプリントしてもらう。四つ切りまで
伸ばせばさらに迫力が出るけれど、単価が高くなるし(ポジのダイレクトプリントは特に)、
持ち歩くのにも不便だから、A4サイズ相当の六つ切りにしている。このサイズならバッグにも
収まるし、気軽に人に見せられる。昨日の西荻某所での旅人の集いでも、いろいろな人に、
直接話をしながら見てもらった。そしてそこから、意外なうれしい計画が浮上してきた……。

南インドはおいしい(4)

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ドーサイドゥリと並んで、南インドの朝食光景によく登場するのが、写真のワダ。
ドーサ、イドゥリ、ワダ、どれも生地の基本材料は豆。ドーサはそれをクレープ状に焼いたもの、
イドゥリはマフィン型に蒸したもの、そしてワダは、ドーナツ型に揚げたもの。
基本的に同じ材料を使っているのに、歯ごたえはまったく違う。さらに、それぞれ具やタレの
バリエーションが豊富なので、まるで異種の料理を食べているよう。三者三様。どれがいちばん
好きだなんてとても決められないけれど、食感でいうなら、ワダがいちばんだと思う。
外はサクサク、中はフワフワ……。
飾らない食堂で、揚げたてをほおばるシアワセを、文字通りかみしめた。

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