Travels on Film #01 – インド、パナジ

 前回の記事で、旅ができない間の楽しみとして、過去にフィルムカメラで撮った旅写真を高画質でデジタル化したいと書いたのだけど、ようやくその作業に手をつけることができたので、デジタル化が完了した写真の中から「Travels on Film」と題して少しずつ掲載していこうと思う。

デジタル化の方法は、前の記事に書いたように、ニコンのフィルムデジタイズアダプター「ES-2」を使うというもの。自分が普段使っているミラーレスカメラ、FUJIFILM X-T3にニコンのマクロレンズ、Micro NIKKOR 40mmを(マウントアダプター経由で)装着し、さらにES-2を取り付けてフィルムをセットし、各コマを「撮影する」というやり方。フィルムスキャナを使うより簡単で効率的だし、X-T3で撮ればおよそ2600万画素のデータが得られるのだから画質も十分。RAWで記録しておけば現像ソフトで自分好みに仕上げることもできるし、FUJIFILMのカメラで撮っているからフィルムシミュレーションを適用することだってできる。

副次効果として、ファインダーを通して没入感を味わえるという思いがけない楽しみもある。ファインダー越しにリバーサルフィルムのコマをのぞき、マニュアルでピントを合わせていくと、次第にあのとき見たとおりの光景がファインダーいっぱいに立ち上がってくるから、あたかも今そこに立ってカメラを構えているかのような没入感に浸れるのだ。あーそういえばこのときはあんなことを思いつつシャッターを切ったっけなどと、忘れていた旅の記憶が意外な鮮明さで浮かび上がってきたりする。つかの間だけど、あのとき覚えた高揚感に部屋にいながら浸ることができる。旅に出られない間の格好の妄想の手段となりそうだ。

ここに掲載した写真は、いずれも2009年にインドのパナジで撮ったもの。パナジはゴア州の州都であり、ポルトガルの面影を色濃く残す地区が魅力的な町だ。

 

 

 

 

 
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