1月の北インド、ラジャスターン地方。朝夕の冷え込みは予想以上に厳しく、砂漠の町ジャイサルメールも例外ではなかった。体感的には東京とそれほど変わらぬ寒さなのに、安宿なので暖房もないし、シャワーもぬるいし……。
朝食を取り、チャイを飲み終えると、寒さもようやくゆるみ始めたように感じた。宿を出ると、町の中心へ。喧噪の路地をしばらく歩くと、伝統的な邸宅(ハベリ)の前に出た。
精緻なレリーフが全面に施された豪華な邸宅に、朝の透明な陽光が射し込む。そのまばゆい姿を間近に見上げたとき、この町がゴールデンシティと呼ばれている理由がほんの少しわかった気がした。