9年目に思うこと

knsg_090422a.jpg
AL KHAWKHAH, YEMEN

メインサイトを立ち上げてから昨日で丸8年が経過し、今日から9年目に突入しました。
旅行記の更新は止まったままですが、こだわり続けてきた黒背景を白地に変えたり、デザインを一新したりと、地味ながらも続けてきましたし、これからもゆるゆると続けていこうと思っています。

人とは違うディープな旅をするでもなく、土地の人の素顔に迫る写真が撮れるわけでもない。笑わせるネタを豊富に持っているわけでもないし、喜怒哀楽を面白おかしく書くのも苦手。平凡な、だけど自分にとってはかけがえのない旅。その道すがら通り過ぎていった忘れ得ぬシーンのかけらを、湧いてきた心象とからめながら、淡く、せつなく、ちょっぴりロマンチックに綴っていけたなら。その中から、空気感と共振が静かに伝わったなら。そんな風に思っています。

美しくて、ロマンチックで、どこか寂しげで、哀しくて、せつなくて、胸がきゅんとなるような、
そんな空気感あふれる旅写真を撮りたい、文章を綴っていきたい。

こんなことを恥ずかしげもなくぬけぬけと書けてしまうのは、年を取って厚顔になったからかもしれません(笑)。あるいは、いい年して「青さ」が抜けていないからなのか。まあどっちでもいいです。実際のところ、もっと違う写真や文章を志向、模索したい気持ちもあるにはあるのですが、最近になってなんだかふっきれました。「ロマン」、「哀愁」、「せつなさ」、「空気感」をさらに追究していこう、と。

当ブログの「ABOUT」にも掲げていますが、作者不明のこういう言葉があります。

“Life is not measured by the number of breaths we take, but by the places and moments that take our breath away.”
「人生の価値は、息をした回数ではなく、場所や瞬間に息を奪われた回数によって測られる」

要するに、人生は長さじゃなくて心の豊かさだよ、素晴らしいシーンにどのくらいたくさん巡り会えたかだよ、っていうことですね。この金言に従って、見る人の息と心を奪うような「せつない系旅サイト」を目指していくので、これからもよろしくお願いします。

上の写真は、イエメンのホーハという小さい漁村で撮ったもの。背景は紅海。名前とはうらはらなコバルトブルーと、青年の赤いシャツのコントラストが鮮烈な印象をもたらしました。イエメンというとサナアやシバームの摩天楼がまず思い浮かびますが、こういう海の光景もまたイエメンならではです。旅行記がモカ、ホーハまで進めば海辺の写真もたくさん登場させることができるのですが。

黒から白へ

knsg_081219a.jpg
Lisbon, Portugal / RICOH GR21

久しぶりにメインサイト「彼の地への旅」をいじってみた。
なぜか突然サイトのイメージを一新したくなり、ここ2日間ほどデザイン変更に没頭していた。旅行記を書き起こすとなると気力もまったく湧いてこないし、そんな時間などないし、と最初からあきらめてしまうこの頃なのに、デザインとなるとなんでこんなにやる気がでるのか、そして時間も確保できるのか、ほんと不思議である。

大きい変更点は、開設当初からこだわってきた黒背景をやめて、白基調に統一したこと。これは自分の中ではちょっとした脱皮だった。黒背景のほうが、パソコンの前にいる自分から隔絶され、サイトの世界に吸い込まれるように迷い込んでいけるところが好きだったし、なにより黒に包まれていると心地よかった。普段から静かな人間だけど、旅に出るといっそう内省的になり、目は外の光景を追い続け、口は誰かに向かって開いているのとは対照的に、心は自分の内へ内へと深く向かってしまう自分の旅を表すには黒がしっくりくる気もした。

そんな自分がなぜ白に変えようと思ったのか。今年はちょっと違う自分を見せるぞという意気込みの表れ・・・というふうに受け取ってもらえれば。昨年の記事「メインサイト8年目」のなかで、黒背景だけは絶対に譲れないと宣言したにもかかわらず、まったくもってはなはだしい変節ぶりではあるけれど、心変わりが激しい双子座、O型なので仕方がない。

昔から見てくれている人には賛否両論あると思うけれど、とうぶん白背景のさわやか系でやっていくのでのぞいてみて。
それと、当ブログの上部に設置されているのと同じナビゲーションバーをサイトにも設置した。これでブログとメインサイトのコンテンツ間のアクセスもよくなったと思う。ちなみに、当ブログのトップページに戻るには[Blog]をクリックしてね(グレーでハイライトしてあります)。[Home]をクリックするとメインサイトのトップに飛びます。

先頭に戻る
コピーはできません。