蒼穹のラダックへ II – スピトク ゴンパの職人技

20120227_spitok_00.jpg
View from Spituk Gompa
ルンバク村までの1泊2日のトレッキングを楽しみ(これについては別途記事を書く予定)、ジンチェンからレーへと車で帰る途中、スピトクゴンパに立ち寄った。空港の近く、小高い岩山に建てられた立派なゴンパだ。チベット仏教はいくつかの宗派に別れているが、スピトクゴンパは、ダライ・ラマを最高指導者として仰ぐ最大宗派のゲルク派に属している。また、ラダックで最も尊敬を集めているバクラ・リンポチェを座主とする格式あるゴンパでもある(バクラリンポチェのお姿はこの旅の間に偶然拝することができたのだが、その模様についても別途……)。
スピトク・ゴンパは実は前回の旅でも訪れているのだが、そのときは諸事情のため駆け足で後にしてしまい、心残りがあった。今回は時間にゆとりもあり、またNEO-LADAKHの池田さんとワンボさんがご一緒してくださったこともあり、説明を聞きながらじっくりと見学することができた。前回入らなかった本堂(ドゥカン)を見学できたし、お昼の勤行の様子も見ることができた。その勤行には偶然にもワンボさんの親戚のおじいちゃんが参加していて、お話を聞けたのもうれしかった。そしてなにより、このゴンパで印象に残ったのは、職人の技。ワンボさんのはからいで、職人さんの工房をのぞかせてもらえたのだが、その製作風景と製作物の見事さに圧倒されてしまった。
20120227_spitok_01.jpg
この絢爛さ。聞いたところによると、ダライ・ラマ法王がこのゴンパを訪れたときに、その玉座の脇に置かれるものだそうだ。なんと呼ぶのか。たぶんちゃんとした名称があるのだろうけど、それを確認することも忘れるほど、目の前の置物の精巧さと色彩に目を奪われた。
続いて別の部屋に案内してもらう。ここにはすでに完成した彫り物が置かれていた。形からして、法王の玉座に飾られるものだろう。こちらも、その精巧さと彩りに魅了された。真ん中には神鳥ガルーダ。
20120227_spitok_04.jpg
これは伝説の怪魚マカラだろうか。マカラもガルーダも起源はインド神話で、のちに仏教に取り入れられたもの。
20120227_spitok_05.jpg
これも仄聞だが、ダライ・ラマ法王がスピトクゴンパを訪れたのはこれまで一度だけだという。いつ訪れるかもわからない法王をお迎えするために、こんなにも素晴らしいものを最高の技と心で製作する。それだけ法王の存在がラダックでも尊いものであるということなのだろう。そのことをこのゴンパで改めて認識することができた。

初秋のラダック

knsg_2011-1211a.jpg
Spangmik, Ladakh
PENTAX K-7, FA35mm
ラダックの秋の到来は早い。ぼくが訪れた9月の下旬には、すでに地域によっては紅葉が始まっていた。
黄色く染まる木々の葉と、深くて青い空が織りなすコントラストはたとえようもない。この鮮やかさは、夏のピークシーズンには見ることができないもの。オフシーズンが近づきつつあるこの時期に訪れてよかったと思えた点のひとつだ。
ちなみに、ぼくがステイしていたストックの村では、10月初旬に早々と初雪が降ったそうだ。
東京では黄色いイチョウの葉が地面に敷き詰められ、まもなく本格的な冬が始まることを告げている。
風邪にはくれぐれも気をつけて。飲み過ぎにもね。。

先頭に戻る
コピーはできません。