桜とか梅とか黒猫とか

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GX100

所用があって、茗荷谷へ。
その帰り道、天気もいいので、近くの小石川植物園に寄ってみることにした。
ここを訪れるのは5、6年ぶりくらいだけど、梅林があったはずだ。
園内を奥へと歩いていくと、一本の寒桜。満開だ。
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さらに歩くと、目的の梅林。こちらも満開。
赤と白。かぐわしい香りがそこはかとなく漂う。
 
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いちばん奥には、旧東京医学校を望む庭園。
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ふと脇を見ると、ベンチのそばに黒猫が一匹ちょこんと座っている。
誰かがえさをくれるのをじっと待っている。
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そういえば、5年前にもちょうど同じ場所で黒猫を見たことを思いだした。
同じ黒猫くんだろうか。あるいは子供だろうか。
黒猫といえば……さらに思い出した。
沢木耕太郎の『一号線を北上せよ』の中の、リスボンのサンジョルジュ城で一匹の黒猫と出会う話だ。その黒猫、色はもちろん目つきまで5年前に同じ場所で出会った黒猫とそっくりであるため、5年前の黒猫の子供だろうと沢木氏は推測し、そこからお得意の回想が繰り広げられていく。
この『一号線を北上せよ』のポルトガル旅行記を読んで、ぼくもサンジョルジュ城を訪れ、そこで同じく目つきの鋭い黒猫と出会った……。
5年間と黒猫と。偶然の一致か。が、小石川植物園で再会した黒猫くんのほうは、同じ猫だとすれば、5年の間にかなりお太りになられた様子。
そういうおまえもな、という声がしたのは気のせいだろうか・・・。
 
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5年前の黒猫 / FED-2 + Industar 50 50mm/F3.5(沈胴式)

 
このところ仕事と寒さを言い訳に運動不足気味。多摩サイもぜんぜん走っていない。
そのせいか、お腹がゆるゆるに。
が、東京は待ちに待ったぽかぽか陽気。明日もこの暖かは続きそうなので、久しぶりに走ってこようかな。
そろそろ足腰を鍛えておかないと来月の・・・あ、これはここでは言ってはいけない(謎

旅するチカラ

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Kota Bharu, Malaysia

お正月は読書三昧で過ごそうといつも思うものの、今年も元日はなんやかんや忙しくて(といっても飲んで食ってテレビ見てただけ)、さすがにこのまま終わってはイカンと思い、沢木耕太郎の『旅する力』を読んでいます。

昨年の正月はジャック・ケルアックの『路上』を読んで、本年のテーマは「路上」でいこうと決めました。今年もそれを踏襲します。『旅する力』を読んでいるから、本年の個人的なテーマは「旅する力」にします。今決めました!

昨年のクリスマスイブに放送された「MIDNIGHT EXPRESS 天涯へ 2008」で沢木氏がこんなようなことを語っていました。「現代は、父親のように生きればとりあえず安心だとか、あの人のように働きさえすれば大丈夫だとか、そういうロールモデルがまったく存在しない厳しい時代である。あるべき生き方は自分自身で築いていかざるを得ないのだ……」。親としての役割、サラリーマンとしての生き方、あるいはぼくのようなフリーランスにとってのビジネスモデル。先達が立派に果たしてきた役割、築いてきたモデルが当てはまらなくなりつつある時代が、未曾有の不況の中、本格的に到来するのでしょう。そんなモデルなき混迷の時代を生き抜くにあたってまず必要なのは、一度じっくりと自分を見つめ直すこと。自分の強みを知ること、自分がどう生き、世の中でどんな役割を果たしていきたいのかを再確認することかな、と。それらをふまえて、これからなすべきことを見極め、ひとつひとつ、一点突破でクリアしていくことが大切なのだと思います。

それが、先の見えないこれからの時代を「旅する力」の出発点となるのではないでしょうか。なんだか強引に「旅する力」に結び付けてしまった感じですけど、実際、そんなことをこのところ考えていたのは事実です。自分の強みと力を確かめる、蓄える、そして試す年にしたい。その意味での「旅する力」。

もちろん、本来の意味の「旅する力」も養いたいと思ってます。
旅の候補地はいくつか心の中にありますが、例によってこれは秘密。

ところで、『旅する力』を読んでいたところ、ポール・ニザンの『アデン、アラビア』からの引用が登場し、そういえば、と思い出したことがあります。たしか先月、イエメン旅行記再開します、次はアデン編ですとこのブログに書いたことを……。ものの見事に忘れていました。とまあ、こんな調子で、今年もこのブログはいい加減にやっていきます。マレー半島旅行記も、上の写真のコタバルまでたどり着けるかどうか。スローに進行していくので、気がついたときにでもふらりと立ち寄ってもらえればうれしいです。

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