シンガポール→バンコク縦断旅に出るまさに前日、福島県の大内宿を訪れた。
旅行前に風邪でも引いたら、という心配を抱きながらも大内宿に行ってみる気になったのは、日本の雪景色と寒さをうんと味わって身も心もコチコチになってから旅立てば、彼の地での「とろけ具合」も格別なものがあるのではないかと考えたからだった(実際には、PENTAX K10Dを買ったばかりで撮る気満々の友達の誘いを断れなかっただけなのだが)。その目論見は当たり、翌日の深夜、シンガポールに降り立ったときには、東南アジアのあのまとわりつくような空気と熱気に包まれて、身も心も一気にとろけ、ゆるんでいくようなこの上ない至福を覚えたのだった。