必需品というわけでもないけれど、旅の間、これがないと調子が出ない、落ち着かない、あるいは寂しいと感じてしまうアイテムがいくつかある。そのひとつが、旅のあれこれを書き留めるためのノートだ。ノートに関しては自分なりの好みやこだわりを持っている人も多いと思う。ぼくもしかり。ぼくの場合、旅ノートは絶対に「Rollbahn」でなければならない。過去何種類かのノートを使ってみたけれど、Rollbahnと出会ってからは、旅の心象を刻み込むアイテムとして、PENTAXやRICOHのカメラとともに手放せない存在になっている。
そこまで気に入っている理由は、その高いデザイン性と機能性にある。まず、サイズが絶妙だ。ぼくが愛用しているLサイズは、写真でいえば2Lサイズに相当し、歩き方やロンプラより一回り小ぶり。大きすぎず、小さすぎず、手にしっくりなじむ。表紙のデザインと色合いもシンプルでいい。そして丈夫だ。スプリング綴じなので背表紙とくっつけてテーブルのない駅の待合室などでも下敷きとして使える。ページが方眼式なのも便利。文章だけじゃなく地図などもきれいに描ける。またミシン目がついているので簡単にビリッと切り取り、知り合った人にメモとして渡せる。さらに、透明ポケットがついているのも、カードやらレシートやら切手やらを放り込むのに重宝する。というように、旅のさまざまなシーンで役立ってくれるすぐれものなのだ。昼下がりのカフェで、宿のベッドの上で、空港の待合室で……道すがらRollbahnをバッグから取り出して開くとき、安堵にも似た気持ちが込みあげてくる。
ラオス、ドンデッド
レー、レストラン「Gesmo」
現在使っているRollbahnは5冊目で、ラダックにもこれを携えていった。言い忘れたけど、このRollbahnシリーズ、カラーが豊富なのがまたうれしい。今度はどの色のをどこに持って行こう、などと想像するのもひそかな楽しみだ。5冊目の色は、ホワイト。初心に戻って、まっさらな心で旅に出ようという意味を込めてこの色を選んだ。まだページが余っているので、次の旅でもこの白いRollbahnを携えていくつもりだ。次にこいつと一緒に行くところはどこになるのだろうか(羽田発のAirAsia便が取れたので、マレーシアに飛ぶことまでは決まっている)。そして、次のRollbahnは何色にしようか。その色に似つかわしい旅先はどこだろうか。秋の夜長に妄想が膨らむ。