12年ぶりのネパール(1) 少年

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Katmandu / PENTAX K-7, DA21mm
12年前はインドとあわせて1か月半ほど滞在したのだが、今回のネパールの旅はおよそ1週間に過ぎない。再訪したい場所はいろいろあれど、あくせく欲張らないで、カトマンズ、バクタプルとその近郊だけを訪ねようと決めていた。その意味では、予期せぬバンダのせいでカトマンズに釘付けになったとはいっても、当初の計画が大きく崩れてしまったというわけではなかった。バクタプル方面に足を延ばせそうにないのは残念だけれど、気持ちを切り替えて、余った時間を、カトマンズの旧市街の探索に使うことにした。思い返してみても、12年前は、タメルとダルバール広場を結ぶ2、3本の主要な通りしか歩いた記憶がなかったからだ。それらの通りを満たす喧噪に身をまかせる楽しみをまた味わうのはもちろん、今回はさらに、もっと狭い路地へと迷い込んでみよう。そこには、変わらないものがきっとあるだろうし、新しい発見もあるだろう、と。
そんなことを考えながら旧市街の中心であるアサンに向かう途中、写真の少年たちと出会った。その中に一人、はな垂れ少年がいた。そういえば、前の旅でも「はなっ垂れ」に何度も出会い、懐かしく思ったものだった。現代の日本ではほとんどお目にかからないけれど、ぼくがガキの頃には普通にそこいらにいたから。そして今回の旅でも、ここカトマンズの真ん中で。「変わらぬもの」のひとつと出会ったと言えるかもしれない。

12年ぶりのネパール プロローグ

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Katmandu / PENTAX K-7, DA21mm
12年という短くはない歳月の間に、目に見える変化は見受けられるのだろうか、はたまた、これといった大きな変化は見られないのだろうか。「変わったもの」と「変わらぬもの」。それらを探しながら、合わせ鏡として、自分自身の12年も振り返る。ネパール行きを目前に、旅のイメージをそんな風に漠然と思い描いていた。

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