イエメンの青年は童顔が多い、と過去の記事で書いた。そんな彼らも、おじさんへと成長を遂げたとたん、ガラリと一変する。ひとことで言うなら、濃くなるのだ。貫禄も濃くなれば、顔つきも濃くなるし、ひげも濃くなる。なにせモカコーヒーの原産地の民族である。緑茶族の日本人とは煮出したときの濃さが違う。渋さでは日本人の方が上だと思うけど。
その濃さをさらに引き立てているのが、白いワンピース。イエメン男性の多くがこのスタイルで街を闊歩している。写真の右側の男性のように、白服+頭布を巻くのが一般的。もちろんお腹には部族の誇りであるジャンビーアを差す。左の男性は頭布を肩に羽織っているが、これはお洒落なスタイルとか。
また、白服の上に背広を着ているおじさんも多い。和洋折衷という言葉があるが、イエメンと西洋の折衷はなんと言ったらいいのだろう。とにかく珍妙な組み合わせで、濃さをいよいよ引き立てる結果となる。ちなみに、背広は袖口のタグを取らないままにしておくのがお洒落なようだ。昔の中国もそうだったらしいけど。
なにもかもが濃くなった結果、いかめしく見えるおじさんたちだけど、それは外見だけのこと。じつはやさしい人たちだ。はにかみやさんや、おちゃめさんも多い。そして子どもたち同様、たいていのおじさんが撮られ好きである。そのギャップが、見ていてじつに面白く、微笑ましくもある。また、親切心や義侠心もとても濃いから、いざというときは頼りになる。旅行中、迷ったときや困ったときに何度となく周りのおじさんたちに助けてもらった。愛すべきはおじさんたちである。