豊かな大地に覆われ、豊かな海に囲まれた南インド。当然、食も豊かだ。
そうした豊かな食文化を味わうことが、南インドの旅の隠れた目的だった。
隠れた、と言うとウソになるか。えー、あからさまな目的のひとつだった(笑
ということで、彼の地で食べたものをひとつずつ紹介していきたい。
まずは、イドゥリ。米と豆の粉から作る、南インド風蒸しパン。ふんわか、もちもち。これにサンバル(豆と野菜カレー)とチャトニ(ココナッツベースのスープ)をかけて食べる。朝の食堂は、イドゥリをむしゃむしゃと食べている庶民であふれる。南インドの朝食光景を彩る一品。
写真は、バックウォーターの旅の基点となるアレッピーの食堂で食べたイドゥリ。1セット2つか3つが普通だと思っていたら、4つも出てきた。いつもならうれしくなり、ぺろりと平らげるところを、このときは連日の酷暑と疲労のせいで食欲が失せていたので、3つ食べたところでギブアップ。今になって、あの1個が無性に心残りに思われてならない。あのイドゥリ、食べたかった……。
マレー半島を北上せよ(6) 海南鶏飯
PENTAX MZ-3, FA50mm/1.4, RVP-F
(前回のセピア調からガラリと変わります)
マラッカの旧市街は、さまざまな色で満ちている。
中華、キリスト教、イスラム、ヒンズー。文化と宗教の混在が、そのまま家並みの壁や飾りに表れている。
白壁に青いドアの家も。
漢字さえなければ、モロッコのエッサウィラやシャウエンなど、ポルトガルとスペインの
面影を残す白い街とそっくり。
そういえば、マカオでも同じような白壁に青枠の建物を目にした。
それもこれも、ポルトガルの残滓なのだろうか。
くたびれたので、ひと休みがてら、なにか食べることに。
といっても、食べたいものはとっくに決まっている。
近くの食堂に入って、目的の料理を注文。
しばらく待つと、目の前に出される。
海南鶏飯。これを食べたかった。
もちろん海南鶏飯ならマレーシアのどこでも食べることができるが、マラッカの海南鶏飯は、
ご飯がゴルフボール大の球状になっているのが特徴。
旨い、安い。もうひと皿。