シュエサンドーのサンセット

14年ぶりに訪れたバガンでは、ホテルやレストランが目に見えて増えていたり、道が整備されていたり、そのせいかEバイクという便利な移動手段がポピュラーになっていたりと、変化の激しさにとまどいと驚きを覚えることが多々あった。そんな中、シュエサンドーパゴダから眺める夕陽のドラマだけはまったく変わっていなかった。

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真っ赤な夕陽が、ちょうどミンガラゼディパゴダをかすめて、エーヤワディー川のはるか向こうの稜線に消えていく。沈みきると同時に、周囲のあちこちからため息が漏れるのが聞こえ、続いて拍手がどこからともなく湧き起こる。そんなところまで昔とまったく同じだったので、感動に混じってちょっぴりおかしさも込み上げてきた。

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Sunset from Shwesandaw Pagoda, Bagan / Fujifilm X-T1 + XF18-55mm, X-E2 + XF55-200mm

14年ぶりのミャンマー

Nantaing, Myanmar
Fujifilm X-T1 + XF35mm

雨期明けのミャンマーを旅してきた。じつに14年ぶりの再訪になる。機会を逸したり、タイミングが合わなかったりで長らく訪れることがかなわないでいたのだけど、結果的には、2015年のこの季節に再訪できて本当によかった、そう思える旅となった。

滞在したのは、ヤンゴン、インレー(ニャウンシュエ)、カロー、バガンの四箇所。初めて訪れるインレーとカローに日数を割き、久しぶりのヤンゴンとバガンでは変わったもの、変わらないものを見てみようというのがざっくりとした予定だった。

最も長く滞在したインレーでは、インレー湖最大のお祭りである「ファウンドーウーパゴダ祭り」の模様と、その最終日に催された有名な足漕ぎボートレースの盛り上がりを楽しんだ。また、満月の日(10月28日)には雨安居明けを祝うお祭り「ダディンジュ」にも出会い、無数のろうそくの灯りが夜のパゴダを満たす幻想的な光景をカメラに収めることができた。

続いてカローで4泊。トレッキングに参加して近郊の少数民族の村々を巡って偶然お祭りに遭遇したり、ローカル列車に乗ったり、五日市のにぎわいを見たりして過ごした。個人的には、一番のんびりでき、そして印象に残った町でもあった。

そしてバガンへ。14年前の光景がまだ脳裏に焼き付いていることや、観光地化が進んでいることなどから再訪にはためらいもあったのだけど、当時お世話になった人に写真を渡すという目的を果たしたかった。その人とはちょっぴり劇的な形で再会することができたし、驚かされる変化の中にあってまったく変わることのないサンライズとサンセットを眺めることもできた。やっぱり来てよかったと素直に思えた。

最後にヤンゴン。ちょうどこのときミャンマーでは総選挙が実施された。そしてアウンサンスーチー率いるNLD優勢のニュースが伝えられ、多くの人々の期待の高まりを感じるなか、帰国の途についた。ミャンマーの歴史の転換点となるかもしれない瞬間にそこに居合わせることができたのはじつに幸運だった。

そんなこんなで、当初の予想を超えてさまざまな出来事に恵まれた今回の旅。この年のこの季節に再訪できてよかったと思うのは、そうした理由から。そんな旅の模様は、例によって少しずつではあるけれどここに投稿していきたい。

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