ブルーシティ、ジョードプル(2)

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西にモロッコのシャウエンあれば、東にインドのジョードプルあり。

ブルーシティとして知られているふたつの町。実際に訪れてみて、ふたつの青に微妙な違いを感じた。ここでいう違いとは色合いというより、「印象」だ。ジブラルタル海峡に近いシャウエンの青からは、イスラム的な神秘さの中に地中海の透明さが感じられた。対するジョードプルの青はといえば、どこまでもインドを感じる青だった。

そう印象づけられた要因のひとつは、おそらく路地で出会った動物だと思う。シャウエンでは青と白の家並みをバックにネコが優雅にお昼寝している姿が路地のそこかしこに見られ、地中海的な光景を作り上げていた。猫撮り好きとしては被写体にことかかない町でもあった。一方、ジョードプルはといえば、ネコの姿はまったくなく、出会うのはこぶ牛、こぶ牛。やっぱりここはインドだなあという感じ。もっとも、ぼくはコブ牛萌えでもあるのでシャウエンに負けず劣らずこの町でも被写体にことかかなかった。ということで、両者引き分け。

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ゴールデンシティ

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1月の北インド、ラジャスターン地方。朝夕の冷え込みは予想以上に厳しく、砂漠の町ジャイサルメールも例外ではなかった。体感的には東京とそれほど変わらぬ寒さなのに、安宿なので暖房もないし、シャワーもぬるいし……。

朝食を取り、チャイを飲み終えると、寒さもようやくゆるみ始めたように感じた。宿を出ると、町の中心へ。喧噪の路地をしばらく歩くと、伝統的な邸宅(ハベリ)の前に出た。
精緻なレリーフが全面に施された豪華な邸宅に、朝の透明な陽光が射し込む。そのまばゆい姿を間近に見上げたとき、この町がゴールデンシティと呼ばれている理由がほんの少しわかった気がした。

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