今夜はここで結婚式があるよ。
ひょんなことから知り合いになったイエメンの男が、サナア旧市街を案内してくれている最中、ぼくに耳寄りな情報を教えてくれた。今日は木曜日。金曜日が休日であるイエメンでは、その前夜、つまり今夜から各所で結婚式が盛大に催される。サナアの旧市街では、路地裏の広場がパーティーの会場となり、旅行者も見学できるというのだ。その夜、新市街で夕食をすませると、旧市街にあるその場所に行ってみることにした。
教えられた広場へと向かう途中、どこか違う方向から、歌声と演奏が漏れ響いてくる。別の場所でも結婚式が行われているようだ。その音に惹かれ、その音を伝うように、薄暗い路地を何度か折れてみる。
突然、目の前に光の群れが出現した。
頭上にはコードが張り巡らされ、いくつもの裸電球がつり下げられている。
真下の広場と周囲の建物をやさしく照らし出し、ロマンティックな雰囲気で満たしている。
どうやらここが会場らしい。
入ろうとすると、少年がシャーイ(ミルクティー)をふるまってくれる。
ありがたく受け取って、路地の奥へ。
大勢の観衆に囲まれて、すでに男たちが祝いの踊りを披露している。
かたわらでは、楽師が高らかに歌い上げ、演奏する。スピーカーから、その声と旋律が響き渡る。高い建物に囲まれた広場は、格好のホールにもなる。
迷惑だ、なんて文句を言う近所の住人なんていないのだろう。
イエメンでは、花嫁と花婿を別々に祝う。いま催されているのは、花婿の結婚パーティー。
花嫁のパーティーは、おそらく花嫁の実家で女性だけで催されているに違いない。みんな派手派手な衣装で踊りまくるそうなのだけど、残念ながら男はそれを見ることができない。けれども、遠くから踊りを眺めていた女の子たちの姿から、なんとなく想像はできそうだ。
踊りの合間に、記念撮影。
花婿が、親戚や近所の人から祝福を受ける。その様子を遠くから撮っていると、隣のおじさんが、もっと近くで撮れ、と気をつかってくれ、輪の中に通してくれた。
写真右側、剣を持っているのが花婿さん
2007年6月21日
>眞紀さん
イスラム圏って女性が旅をしにくいイメージがあって、
まあ確かに見ていてしにくそうなのだけど、男の旅行者がのぞけない
世界をのぞけるというメリットは、うらやましいです。
そのうえ男といっしょなら男の世界ものぞけてしまえるし。
子どもたちの写真は、まだまだこれからが本番です。
あくまでも小出しに・・・。
2007年6月20日
ん〜〜〜〜〜〜〜〜色出しがステキーです……!!
なんともいえない色だ……。
私も、よく結婚式にぶちあたって「入れ入れ」と言われましたよ。いろんな国で……知らない人ばかりだから、長居してもしょうがないんだけど、彼らは長々と楽しんでいて。
ラッキーですよね。
パキスタンでは、「明日結婚式。明日が初夜なの」という花嫁さんのブライダルエステの場所に行ったり。
いろんな、お肌によさげなモノをすり込んだりして、体をぴかぴかに磨き込んでいました。
イスラム圏では、女の旅はこういうときお得なんですよね。
それにしても、あづま川さんは子供を撮るのがこんなに上手だったとは知りませんでした。
2007年6月19日
>ヒョウちゃん
ヨーロッパでも日曜日に教会に行けば遭遇しますけど、
さすがにパーティーには入れないですよね。
楽しいことはみんなで分かち合おうという雰囲気がありました。
実際、みんなのためのお祭りという趣旨もあるのでしょうね。
2007年6月19日
>soraさん
子どもの瞳は印象的でした。
形がアーモンドそっくりで、本当にきれいでした。
裸電球もサナアの街にはぴったりでした。
2007年6月18日
旅をしていると結婚式は意外に遭遇しますよね。
でも、旅人にも遠慮のいらない配慮をするところは、やはりイスラムやアラブだからかなあ。
そういう場の雰囲気を共有できたということは、やっぱり運がいいんですよね。羨ましい。
このあとも、イエメンで数々の出来事がありそうな感じを伝えてくれてます。
2007年6月18日
ご無沙汰してます。
いい光景ですね。
日本には無い光景だなぁと。昔はあったかもしれませんが。
とにかく「女性」「女の子」がカワイイですね!皆、目がクリッとして。オリエンタルな美しさに見惚れます。。。
裸電球がいいですね。何の装飾もない。
2007年6月18日
>HARUさん
コーランには旅人には親切にせよという教えがあるそうですし、
日本人に対してとてもよいイメージを持ってくれています。
この結婚式の席でも、それを強く感じました。
>sindbadさん
夜の広場で繰り広げられるダンスは、まさしく現実離れしていて、
不思議な感覚に陥りました。こんな国があるのだなあ、こんな国に
今自分はいるのだなあ、と。
エジプトからならひとっ飛びで行けるんですよね・・・いいなあ。
>sesamiさん
こちらこそご無沙汰しておりましてすみません。
憧れのイエメン、ようやく行ってきました。
忘れられないシーンとたくさん出会えました。ま、これも人徳ってことでw
そうか、sesamiさんも狙っていたのか。
ますます行く気にさせる記事と写真をアップしてもっと壊さなくては(笑
>wakyさん
イスラム圏で結婚式を見かけたのは初めてでした。サナアでは屋外で
パーティーが繰り広げられ、しかも大音響なので、木曜の夜に旧市街を
ぶらついていれば、あ、あそこでやってる、ってわかるんです。
また写真をアップしますが、この結婚式以外にも別の式を数回見ることができました。
他人の結婚式にばかり恵まれてどうするよって感じですが、
これだけ見れば少しはあやかれるかなあ、あやからなければ、と・・・。
2007年6月17日
うわあ~・・結婚式にあたるなんて、ホントにラッキーですね!
賑やかで幸せな雰囲気が伝わってきます。
私は1度もローカル結婚式を見たことがありません。
よく旅行記などで結婚式を偶然みかけ、
旅人が「どうぞどうぞ」と誘われて輪の中に入っていく・・
のに、ものすごく憧れています。あずま川さんやりましたね!
しかしイスラム圏だって結構行ってるのに、
なぜ結婚式にあたらないんだろう。。
というか、他人の結婚式どころか自分の結婚さえ・・以下自粛。
いいなあいいなあ。
2007年6月17日
今さらですがイエメン行き&おかえりなさいコメントすっかりしそびれておりましたが、
彼の地の記事は楽しく読ませていただいていました。いいなあイエメン!!! 私も去年あたりから狙っていたのにうらやましいぞ!!(ちょっと壊れてます、すみません)あづま川さんの記事でいつか行くときの予習をしておきます。
旅行なのにこんな素敵な時間に立ち会えるなんていいですね。
それもあづま川さんの人徳でしょうか?(笑)
2007年6月17日
懐かしいです、ジャンビーヤ・ダンス。
サナアに飛びたくなってしまいました(笑)。
少女達のドレスも、どことなく現実離れした不思議な感じがしますね。
花嫁のパーティは、きっと煌びやかなんでしょうね。
2007年6月17日
豊かな結婚式ですね。
日本でのイメージとは裏腹に、ムスリムは平和を愛する民だということがよく伝わってきます。
彼らには、旅人への接し方も温かさがある。
イエメンは未体験だけれど、中東は僕にとっても好きな地域です。