7年ぶりのカオサン II

Ttblog_080209c 

東南アジアはここ数年何度か旅しているが、なぜかバンコクとは縁がなかった。
以前の記事で書いたように、バンコクのカオサンロードに宿を取ったのは、じつに7年ぶりのことだった。

変貌しつつあるという噂は聞いていたのだが、世界各地から旅行者が集まっているその姿と雰囲気にはさほど変化は感じられず、なんだか安心した。けれども、この7年間で、怪しい安宿街から、ちょっとおしゃれな歓楽街へとアップグレードされたような気がする。若干だけどね(笑

Ttblog_080209g

おしゃれなカフェ・レストランや中級の宿も増えていた。かつて定宿にしていたD&D INNをのぞいてみたのだが、フロントが中級ホテル並みに様変わりしていてびっくり。思わず入り口の前で引き返してしまった。代わりにNa Na Plaza Innにチェックイン。この宿もカオサンでは老舗の方だろうか。エアコン、ホットシャワー付きで1泊400バーツ。シングルは1つしか残っていなくて、ぼくのすぐ後に来た女性の旅行者は「部屋はない」と断られていた。こういった部屋取りをめぐる攻防の激しさもカオサンならでは。でもここで負けたって、カオサンには他にいくらでも宿はある。

Ttblog_080209e

カオサンまでたどり着けば、何もすることはない。
通り沿いの店に入り、パッタイ(タイ風焼きそば)とビールで旅の終わりをかみしめる。

今回の「マレー半島を北上せよ」の旅では、出発点となったシンガポールでは久しぶりにドミに泊まり、最終地のバンコクではカオサンに宿を取った。バックパッカー時代に戻ったようで、15歳ほど若返ったような気分になった。10歳じゃなくて15歳というところに、微妙なお年頃であることを察してください(笑

Ttblog_080209h

路地に入れば、変わらない光景にもまだ出会える。

Ttblog_080209d

夜がふけるにつれてますます賑わいを増していく。
浮世離れした喧噪と熱気が心地よくもあり、寂しくもあり。
この浮遊感を次に味わえるのはいつのことになるのだろう。

長さ数百メートルのこの短い通りが、多くの旅行者にとって旅の出発点となり、
最終地ともなる。期待と寂しさが交差する通り。
その役割と雰囲気が大きく変わることは、しばらくなさそうだ。

Ttblog_080209f

10件のコメント

  1. あづま川
    2008年2月18日

    >サミーさん
    こんばんは。こちらこそご無沙汰しております。
    1月下旬に突然休みが取れたとき、キューバやらエジプトやら
    いろいろ行き先が思い浮かんだのですが、予算の都合もあり
    結局はマイルを利用してのシンガポール→バンコクとなりました。
    とはいえ、マレーシアは初めてだったので予想以上に楽しめました。
    サミーさんは同時期にラオスだったのですね。ぼくは30日にカオサンだったので
    1日すれ違いでしたね。
    記事のとおりカオサンは7年ぶりだったので、あの喧噪に包まれたとたん、
    「そうそう、この感じだよ」って思いました。忘れていた感覚が蘇ってきたような。
    サミーさんも次は久しぶりにカオサン基点で。

    返信
  2. サミー
    2008年2月17日

    ちょくちょく覗いてはいたものの(いやらしい意味ではなく…笑)、書き込みは久しぶりで、ご無沙汰です。
    7年ぶりのカオサンとマレー半島北上。
    旅の題材としては面白いですよね。
    実は自分も1月末に1週間ほどの休みがあって、アジアのどこかしらへ行こうと暗中模索したのですが、その時に11年ぶりのマレー半島南下も考えてはみました。
    ただ、1週間の日程だとプランニングの時点で指で日数数えただけで足りないんですよね(笑)。
    結局、タイ航空を使って行き帰りのバンコクにビエンチャンとバンビエンを足したスケジュールで落ち着きましたけど、出発が1月28日の夕方で29日の夕方までバンコクに滞在していたので、カオサンへ行っていたら微妙にすれ違っていたかもしれないですね。
    自分の場合、ここ3度ほどのバンコク滞在はもっぱら1泊のみのトランジットばかりで、落ち着く先もスクンビット界隈だったりします。
    この界隈だと空港からのアクセスが近くて便利ですし、BTSの駅が近いので行動がしやすかったり、日本人GHもあったりして事困らないのですが、なんとなくバンコクらしい(?)物足りなさも感じてはいました。
    そんなことを感じていた矢先のあづま川さんのカオサン。
    次の旅はカオサン基点かな?
    久しぶりにディープな旅もしたくなってきましたしね。

    返信
  3. あづま川
    2008年2月17日

    >oink_oinkさん
    おー、わざわざ購入までしていただいたとは!
    でもシンハ、なかなかイケルでしょ?
    ちなみにチャンビールもいいですよ。象のラベルがステキなんです。
    ひそかに象フェチなもので・・・いや、oinkさんのカエルフェチ
    ほどではないですけど、たぶん・・・。
    でもアジアのビールでは、なんといってもビアラオ(ラオスのビール)が一番です。
    でもこれは現地で飲まないと真の旨さは味わえません。
    旧日本人倶楽部、今でも現役です。1階にはいろいろなお店が入っていて、いい感じのおじさん達がごろごろしてました。
    上階は当時のままという話を聞いていたのですが、残念ながら入れてはもらえませんでした。
    この建物に限らず、バトパハの町には当時のままの建物がたくさんありました。そのうちまた写真をアップします。

    返信
  4. oink_oink
    2008年2月16日

    (コメントが質問で終わっていたので新しい記事がupされているにも関わらずこちらに書き込んでみました…)
    アジアのビールって、あまり飲んだ事ないんですよね。
    青島くらいかも。(←ピンとこなかった…)
    先日、タイカレーと生春巻きを作った時、「タイのビールって…なんだっけ??」状態だったし…
    それで答えに困り、成城石井でSHIGHAを購入して飲んでみました。
    輸入ビールって輸送の問題で品質が落ちて「ぼえー」っとしたイメージがあるのですが、なかなか美味しかったです。
    ぴりっとしてて、現地で飲めばもっと美味しいんでしょうね(うらやんで締めくくってるし…)。
    そうそう、旧日本人倶楽部の写真も、素敵ですよね。
    昔の建物って、角(?)に入口(正面はまた別なのかな。)があるものがよくありますね。
    (地元にもこういう作りの建物があります。)
    モノクロでこの角度というのがまた、ニクイっす!
    ねこちゃんの写真といい、あづワールド炸裂で、良い旅立ったんだなぁーって、思いながら拝見してます。

    返信
  5. あづま川
    2008年2月13日

    >HARUさん
    HARUさんも7年ぶりでしたか。
    ぼくは初めてのアジア旅がカオサンから始まったということもあって、
    それからというもの、足を踏み入れるたびに当時のういういしさ(笑)が蘇ってきます。
    次第に雰囲気は変わってきているけれど、7年ぶりに訪れた今回もそうでした。
    多くの旅人にとっても、きっとそうなのでしょうね。
    >oink_oinkさん
    あ、こういう雰囲気は好きなのですね?
    熱くて湿った空気、立ち並ぶ看板、屋台、その中を行き交う旅行者たち・・・
    カオサンの喧噪は独特のものがあります。
    カオサンは外国人バックパッカー向けの安宿通りなので、
    タイ語の看板はほとんどありません。東京で言えば新大久保の
    ような感じでしょうか。あるいは長崎の出島とか(笑)
    バンコクの中でもかなり特殊な地域です。ただ最近は地元の人にも
    人気が出てきたようです。
    ハイネケンのホルダーは保冷用ですね。他の地域では見なかったなあ。
    少なくともマレーシアにはなかったです。
    oinkさんはアジアのビールは好きですか?

    返信
  6. oink_oink
    2008年2月12日

    ほわーぁー!
    きたきたーーーー!
    これですよー!こーゆーの待ってたんですよ!
    私はほとんどアジアに興味が無くて、(カンボジア、香港は行きたいんですけどね…)韓国以外行ったこともないのですが、あづま川さんの写真で、いつも心をわしづかみにされます。
    アジアの喧噪の(行ったことのない私の→)イメージそのものです。
    彩りも混沌としているのに、なぜかまとまったこの感じは一体なんでしょうか。
    いかにも、の西洋からの旅行客が収まっているところもコミでいいですねぇ…
    看板だらけの写真も、昔からのおばさま達の集合もいい感じ。
    でも、彼女たちの子供達は、同じように台車を引くことがないかも知れないと思うと、こういう風景はいずれ消えていく運命なんでしょうか。
    ところで、素朴な疑問ですが。私のイメージはタイと言えば「にょろにょろ」した文字(すいません、小学生のような表現で…)ですが、看板がアルファベットばかりですね?
    スターバックスがあるくらいだから(本物…ですよね??)やっぱりこういうメインの通りにはにょろにょろ文字は表には出ないのかなぁ…
    (ついでに気になったのがハイネケンのホルダー?(ビールはタイの銘柄っぽい?)のような物…
    水滴がテーブルに落ちるのを防止しているのか、あるいは保冷の役割があるのか??他の国でもみましたか?)

    返信
  7. HARU
    2008年2月11日

    怪しい安宿街から、ちょっとおしゃれな歓楽街へ
    期待と寂しさが交差した通り
    さすがにいい表現ですね。
    僕もこの前の夏に7年ぶりに行ってみて前者のように感じたし、
    旅をするようになってから、後者のような思いでいつもこの街を訪れました。
    旅人にとって、カオサンはいろんな記憶が詰まった場所ですよね。

    返信
  8. あづま川
    2008年2月11日

    >眞紀さん
    そうですね。
    一度泊まった人は、チェックアウトはできても、ここから永遠に去ることはできない。
    ホテルカリフォルニアみたいな、ね。
    >tk-cafeさん
    カオサンは相変わらず賑やかですね。
    深夜は以前より静かになったみたいですが、それでも毎日がお祭り気分といった感じ。
    お寺の裏も宿や店がずいぶんと増えましたね。
    あそこの路地の屋台でも焼きそば食べましたよ。

    返信
  9. tk-cafe
    2008年2月11日

    こんにちわ!相変わらず賑やかですねカオサンは。新宿の歌舞伎町の方が寂しい気がします。僕はカオサンの宿は少し治安の面で心配なのでいつも寺ウラの方で泊まってました。
    タイもこれ以上バーツが高くなる前に行きたいです。ビアシンと焼きそば美味しそうですね(*^¬^*)

    返信
  10. 三谷眞紀
    2008年2月11日

    きっと、何歳になってもカオサンには惹かれ続けるんだと思う。
    カオサンに一度でも泊まったことがある人なら……という気がします。
    ん〜、旅っぽい写真、いいなあ!

    返信

oink_oink へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

先頭に戻る
コピーはできません。