同じこぶ牛でも、白牛のナンディは鮮やかな色粉でお化粧されているのに、黒牛や茶牛はホーリー中でも素のまま、どこ吹く風の表情でのんびり横たわっている。かたわらの看板に書かれた「プログレッシブトランス」も、四千年の悠久の歴史を内包した彼らには、風に舞う一粒の砂のような存在。いっさいを超越した、悟りを得たものだけが取りうる悠然とした態度。この態度こそ、牛萌え心をおおいに刺激して止まないのである。
さまざまな民族や生物が同一の空間に共存しつつ、それぞれが異なる物差しで異なる時間を生きている。ゴアトランスと牛の対比は、そんなインドの縮図を見ているようであり、そこではもうプログレッシブ(進歩的、前衛的)なんていう言葉は実質的な意味を失っている。何かをプログレッシブと呼ぶためには、明示黙示を問わず、特定の尺度と時間軸がマジョリティーによって認知され、共有されていることが前提となるからだ。そしてたいていの場合、そのマジョリティーとは欧米や日本など先進国の人間だ。
が、その先進国ですら、数十年前ならいざ知らず、確固たる価値観を喪失しつつある現代においては、プログレッシブという概念は輝きを失ってしまった。ただこの場所、ヒッピー時代の残滓がかすかに漂うアンジュナでは、この言葉が頼りなげではあるがいまだに光を宿し、その光に引きつけられるようにやってくる者もいる。ある種の旅行者は、自分の国で崩れつつある尺度に見切りをつけ、オルタナティブな価値観と時間軸を求めてインドを訪れる。ある種の旅行者は、自分の国でかつて甘美な輝きを放ち、今ではすっかり褪せてしまったオルタナティブとしての価値観を想起し、なつかしむためにゴアを訪れる。
ところで、色粉をつけられた愛機MZ-3だけど、その後再びホーリー戦線に復帰し、アンジュナとカラングートのビーチで獅子奮迅の活躍をしてくれた。レイブはというと、上の写真のようなパーティーの看板こそ出ていたものの、屋外のレイブは開かれる雰囲気が見られなかった。夜まで残るのはやめて、この日の夕方、ハンピ行きの長距離バスに乗り込んだ。3月11日。ちょうど1年前のことだ。
2010年3月20日
>こいけさん
水着のおネーチャンにちょっかいだしてましたよ。
ちょっぴりうらやましかったw
では、そのうち・・・。
2010年3月16日
ホントにずっと待ってるんですよー。。。
ビーチウシ、やるなっwww
わたしもそのイタズラやりたいっ!!笑
2010年3月13日
>vinvivaさん
そうですね。こぶ牛はパーティーを待ちかねているようにも
見えますね。どっちにも解釈できるのがインドの深いところ・・・かも。
でも、もしトランスに合わせて踊ったりでもしたら、たまりません。
牛萌え旅人としては最も見てみたい光景かもしれません(笑
2010年3月13日
>tk-cafeさん
最近は当局の目も厳しくなったみたいですね。
もしかしたらホーリーの日くらいやるかもしれないと
ちょっぴり期待していたのですけど。
全盛期を過ぎたといっても、あのとろけるようなゆるい空気は
キケンですよね。どっぷりつかっていると抜け出せなくなりそうで・・・。
2010年3月13日
>こいけさん
このビーチウシはときどき日光浴中のガイジン集団に
乱入し、悲鳴を上げさせたりして楽しんでます。
おとなしい顔してなかなかのやり手ですw
お待ちしているなんて言われたら、ドキッとします。
シャイなのでww
その前にダイエットしないとダメかなー。
2010年3月13日
>こぶ牛が、パーティーに誘っているみたいで、ちょっと楽しい気分になりますね。
しかし、光が綺麗なのか、空気が綺麗なのか、写真に映し出される絵は、実に気持ちの良い空間だな~。
2010年3月12日
ゴアは何年か前からレイブとかのパーティーが禁止になって
しまったみたいですね。
僕が訪れた時も看板や張り紙は殆ど見られませんでした。
こっそりとイスラエル人とかがやってるみたいですけど。
全盛期のゴアに訪れてみたかったです(´・ω・`)
2010年3月12日
あはw 牛、かわいい!
私には『海』と『牛』ってミスマッチな気がしますが、
こうして見ると牛が海辺でのびのびしてて、いいっ!w
なかなかお会い出来ませんねー。
お待ちしてますのに。w