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雨期のデリー(2)

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デリーのメインバザールでは、道路の拡張工事が進められていた。
なんでも、有無を言わせず左右の建物を一律に数メートル取り壊して拡張しているのだとか。
うーむ、さすがインドというしかない。
そのえげつなさといい加減さは工事ぶりにも如実に表れていて、ただでさえカオスな道路が、廃材や土の山で輪をかけてカオス状態になっている。雨降りの日はドロドロ、グチョグチョ。晴れたら晴れたで土煙もうもう。どうしようもないとはこのことだ。どっちにしろ全身汚れるのだからと運命を受け入れて、無数の人やリキシャを縫うように進む。道路ばかりじゃなく、見上げれば電線もこんがらがっている。上下左右、みなカオス。逃げ場などない。
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3枚とも RICOH GR1V, FUJI NEOPAN 400 PRESTO
しかし、突貫工事という割にはあまりにもスローに見える。こんなペースで果たしていつ終わるのだろうか。そのとき(9月中旬)はそんな風に思ったのだけど、最近調べたところ、なんとすでに拡張工事は終わっていて、道路はすっかりきれいになったらしい。信じられない。あのインドがそんな素早い仕事をするとは(笑
いまだに信じられないので、本当に終わったのかこの目で確かめてくることにした。
もちろん、本当の目的地はデリーではない。真冬は閉ざされてしまう北部のラダックでもないし、アグラ、バラナシ方面でもない。南に下るわけでもない。ということは……。
というわけで、ちょっと早いけれど、みなさまよいお年を。
【付記】
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ご不便をおかけしますがなにとぞご了承ください。

蒼穹のラダックへ – 王宮を望む –

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Leh, Ladakh / RICOH GR1v, Fuji Velvia100F
商店や食堂がすき間なく立ち並ぶ狭くて薄暗い路地を通り抜けると、そこはオールドレーと呼ばれる旧市街だった。視界が次第に開け、狭い路地からでは一部しかかいま見ることのできなかった王宮がやがて全容を現した。
これまで見たことのないその威容。背後に広がる蒼穹。目の前に広がる光景に五感を奪われながらも、自分の体内でなにやら異変が生じていることを自覚しはじめていた。来るべきものが来てしまったようだ。認めたくはなかったが、急速に顕在化してきた変調は、高山病の発症を明らかに示していた。あの王宮まで登ってやろうという欲すらもうぜんぜん湧いてこない。腹痛、さらに頭痛。あわてて宿へと引き返す。ぜーぜー息切れがするので早く歩けないのがもどかしい。ひどい寒気と眠気も襲ってくる。なんとか宿に戻り、部屋に入ると、そのままベッドに倒れ込んだ。

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